女性への暴力、DVと子どもへの虐待は、密接に関連しています。摂津市では、昨年から虐待等防止ネットワーク会議を設立し、早期発見と被害者への支援のため関係機関の連携を強化するために取り組んでいます。 今年は、パープルリボン&オレンジリボンキャンペーンとして、信田さよ子さんに講演をお願いしました。 信田さんは、臨床心理士として家族の中で暴力を受けている女性やアルコール依存の家族の中で子ども時代を送った人々に出会ってこられました。1995年にスタートした原宿カウンセリングセンターでは、この数年、DVが主訴のトップを占めています。 講演の中では、グループカウンセリングや、被害者支援の一環としての加害者プログラムなど、多岐にわたる支援の取り組みを話していただきました。そして東日本大震災がDVに与えた影響、貧困との関わりなども指摘されました。 DV防止法や児童虐待防止法ができる以前は、家族の中の暴力はないものとされていました。それは、加害者の側から暴力を定義していたからです。しかし、暴力は、振るわれる側=被害者の立場に立たないと、見えてこないものです。 支援には、何があっても、弱者の側、被害者の側に立つという姿勢が大切です。そして、暴力は、振るう側、加害者の問題であるという視点が、暴力をなくす取り組みには必要です。
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アンケートから ・現実に起こっていることがよくわかりました。自分の身の回りに気づかなかったDVがあることを知りました。立場の弱い人の人格を大切にしたいと再確認しました。(70代男性) ・おちこんだ気分の時も、「今はそういう時」と思ってやりすごすという言葉が印象的でした。先を先をと急いだり、答えを求めがちになりますが、とどまるのも一つの方法と知りました。(50代女性) ・暴力を受けている人に、初めから「それはDVだ」と定義しなくても、相手の話に寄り添えばいいとの話が参考になりました。DVという言葉のインパクトと破壊性、確かに強いですから…。(30代女性) ・被害者支援にとって大切なことを教えていただいた。深い内容だった。被害の大きさを改めて感じ、DVをなくすことが大事と思った。(40代女性)
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