講座報告

ウィズせっつカレッジ2022
子どもたちの未来を育む大人のチカラ
~じぶんにまる・みんなにまる~
   
2講目 アンコンシャス・バイアスに気づく
日 時 令和4年7月1日(金)午前10時~12時
講 師 桂 容子(摂津市男女共同参画推進審議会会長)
今年度から10年間で取り組むべき課題を掲げた「摂津市第4期男女共同参画計画」について、市民の意識調査の結果を踏まえながら、人権女性政策課課長より主な内容の説明がありました。講師の桂さんからは、日本社会の「男女平等」政策、意識について学びました。社会のシステムや人々の意識の中には性別による役割意識や特性論が根強く残っており、改めて「無意識の思い込み」が、時には誰かを差別したり、不利益を与えたりしていないかを問い直し、社会のシステムや慣習を見直していくことが大事であると感じました。

●参加者からの感想
・男女が性別を意識せず、個々の特性を活かして生きていける世の中になっていきつつあるのが楽しみです。
・経済のあり様がライフスタイルや社会を変え、女性の立場や社会での位置も決めてきたことがよくわかった。コロナ禍でも女性は、景気の調整弁として最初に職場からはじきだされ、変わっていないなと感じた。それでも女性差別撤廃条約など国際的に外からサポート・リードされつつ、自分の中のアンコンシャス・バイアスが少しでも減るように自身をバージョンアップしていきたいと思う。婦人週間がその時々の政治の要請を表していておもしろかった。
・私自身もアンコンシャス・バイアスを持っていることに気づいた。参加して気づけたことがよかった。
3講目 子育て×ジェンダー×働き方
日 時 7月15日(金)午前10時~12時
講 師 巽 真理子
(大阪公立大学ダイバーシティ研究所 特任准教授)
戦後日本の働き方と子育ての変化を読み解きながら、母性愛神話や三歳児神話、「サラリーマン」という男らしさなどのジェンダー規範がまだまだ根強く残っていることを学びました。性別に関わりなく働ける社会や隠れたジェンダー意識の払拭で、男性も子育てや介護などのケアに関われる社会作りが求められています。社会全体として<ケアとしての子育て>を問い直すことが大事であると感じました。

●参加者からの感想
・子育ての問題だけではなく、社会全体の支援をすることで安心して暮らしていけると思う。
・ワ―ママ/イクメンという言葉の役割が早く終えられる社会にしていかないといけないと思った。HeやSheの問題ではなく、We<社会全体>として受け止めていく問題だということ。カレッジの目指す「個人的なことは社会的なこと」として、講師の巽先生のように自分の意見として声をあげ、解決への道を手探りしていくことが大切だと感じた。
・ジェンダーって女性のために必要なことかと思っていましたが、男性にも関わりがあり、社会のしくみを考えるうえで大切なことへとつながっていくのだと感じた。
4講目  子どものSOSをキャッチ!子どもの貧困と社会問題
日 時 7月21日(木)午前10時~12時
講 師 水流添 綾
(社会福祉士、公認心理士、こもれび代表理事)
子どもたちにとって貧困は、人生のスタートラインに立つ段階でのチャンスを奪われたり、子ども期にふさわしい生活や教育保障の権利が奪われるなど大きな影響を及ぼします。どんな環境にいようとも、つながり、居場所があることで自分の存在を肯定し、前を向いて歩いて行けます。貧困を個人の責任で終わらせず、誰もが安心できる社会をつくるために、貧困について理解を深め、多様な立場の大人がつながり合い、役割を分担しあって、子どもを育む社会づくりに向けて、それぞれができることを考えたいと思う講義でした。

●参加者の感想
・見えない貧困について、おせっかいおばさんになり、気づき関わっていきたいと感じました。
・少子化なのに子どもたちに手が届いていないのはどうなのか、考えさせられました。
・孤立した人たちに情報を届けることで、助けられる人・頼る人がいるという安心感がいかに心強いことなのか、本当に意味のある居場所だと感じました。
・子どもの貧困支援の難しさを改めて思いました。自分はいったい何ができるか、考えさせられました。
・困っている子どもを支援することの大切さを学ぶことができました。なかなか難しいことですがアンテナを張っていきたいと思いました。